オハラミサマ

私自身の相反する2面性を見事にさらけ出さされた最高傑作

単刀直入にこの物語は心を深く抉ります(良い意味でも悪い意味でも…笑）。

今作品である一部の大まかな内容としては、言葉に出さないがお互いの「好き」という感情を幼い頃から育みあった幼馴染の主人公のコウヤ君とヒロインのヒナちゃん。
仲睦まじい二人だったが、彼らの住む村の因習「オハラミサマ」に彼女か選ばれてしまったことでお互いの感情・考えの歯車がズレ始め、少しづつそして着実に因習に染まってゆく彼女をみて彼は…。
続きは「オハラミサマ二籠」へと続く流れになります。

一部から二部の個人的な全体の感想・考察などは「オハラミサマ二籠」にレビュー（ネタバレ要素ありなのでご注意を…）させて頂いておりますので参考までに。

今回のレビューは、この作品のエロとしての実用性に焦点を置き、個人的感想ですがこの作品エロとして優れている見解を6つ挙げさせて頂きました。
↓
・画力が素晴らしくヒロインがめっちゃ可愛い。

・彼女と交わる村の男達(村長やその息子・村のオヤジや爺さん達・ショタ・イケメン先輩など)がガチでリアリティー。

・臨場感ある性交描写(体位やヒロインのリアルな絶頂描写）。

・性交中または中⚫️しフィニッシュ時のリアルな女の子の体内描写。

・行為中や中⚫️し時におけるヒロインのセリフ・心理描写、そしてそれらをより際立たせる描き文字。

・快感を覚えてしまったヒロインの行為中のオホ顔や絶頂時のアヘ顔。

画力・セリフ構成どれもエロとして申し分のない作品。
ただ、この作品のエロとして完成度が高い一番重要な理由は、エロい画力やセリフ描写が良いだけではなく、物語全体のエロパートに至るまでのストーリー内容が秀逸で、その心を抉る内容が自身の感情に乗っかるからこそ、作品そのものの解像度を上げているという事。
物語の内容だけ見ると気持ちを落とす内容になっているが、心を抉るストーリーが秀逸であるからこそ上記のエロ要素をより際立たせ相乗してより興奮へと導くのだと…。

ただ、ここまで言っててもやはり心を抉られる物語だからこそ主人公とヒロインには最終的に幸せになって欲しい…涙

秀逸なストーリーの相乗効果によりエロとして興奮する煩悩の自分と、純粋に愛を育んできた二人だと知ってるからこそ最後にはハッピーに結ばれて欲しいと願う純粋な自分…汗

読者である自身の「矛盾する2面性」を揺さぶる最高の作品。

めちゃくちゃ苦々しいストーリー

寝取られをここまで深く掘り下げた作品もそうそうない。
村の淫習。断ったら親類一同村八分。そういう逃げられない状況でオハラミサマに選ばれてしまう彼女。
逃げることを提案する彼氏を振り切って帰る彼女と、初のおつとめを終えた彼女を拒否してしまう彼。いろいろ葛藤の末にもう一度逃げることを提案する彼を拒否する彼女。

めちゃくちゃ苦々しいストーリー。でもえろい。
しばらくは読み返したいとは思わないが、よくできていると認める。

NTRはやはりストーリー

あとがきで作者さんが書いている通り、ストーリーや心理描写にかなり力が入っています。ストーリーが丁寧に描かれることでNTRというジャンルは真価を発揮するのだと教えてくれた作品でした。ラストシーンはNTRを読み込んできた人間でもくるものがあると思います。絵と構図も最高でした！
これからも何回もお世話になるNTR作品だと思います

最近では1番良かった

絵が好みどストライク。
抜きどころオッパイ。
シナリオが泣ける。
正直、続き読みたい。
いや、読みたくない。
でも、読みたい。
最後は2人に幸せになってほしい。

読むのに覚悟が必要です

表題の通り、特に作品に感情移入しやすい方は深手を負います。
作者様があとがきでクソボリュームと語られているように、主人公とヒロインの心理描写が非常に丁寧に進んでいきます。

冒頭のチケットを渡すシーン。実質告白に近いのですが「好き」の一言が言えず後の後悔に繋がります。

中盤に入り初めてのお役目を終えた直後、気丈に振る舞い主人公への気持ちは変わらないと伝えようとしたヒロインを咄嗟に拒絶してしまいます。ハッとした後それが本心ではないと、「好き」だと伝えようとしてもやはり言葉が出ず、ただ黙る事しか出来ません。

決定的となったのは就任祭の日、忍び込みヒロインを連れ出そうとしますが既にヒロインは村の風習に染まっており、村の住人に「好き」と言われる事を引き合いに出し「今も一度だって言えなかったのに…？」と今までその言葉を待っていたヒロインからはっきりと拒絶の台詞をかけられます。その後の表情からそれが100%の本心ではない事は分かりますが、それ以上なにも言えなくなるには十分な言葉でした。

結局祭は止められずヒロインが自分の知らない人になっていく様を見ている事しか出来ないまま最後には全てから逃げ出してしまいます。ヒロインへの想いの象徴ともいうべきチケットを片方だけ捨てて。

一方ヒロインの視点から見ると「好き」という言葉はきっと宝物の様なもので、本当にそれで運命が変わるわけではなくとも、その一言が聞けたらきっとふたりで何でも出来てしまうと思えてしまう様なずっと待ち望んでいた言葉なのだと思います。
読み返した時に気付きましたが村人から抱かれている際に「大好きだ！」と言われた時涙が溢れており、描写が細かくこの物語の軸はやはりその言葉なのかなと感じました。

物語のラスト、ヒロインが完全に快楽に堕ちるのならまだ諦めもつきますが、前述したチケットを見つけ主人公との繋がりが全て消え去った事を理解し、ただ立ち尽くす事しか出来ないまま物語は終わります。


こういったジャンルにあまり触れてこなかった事もあり、成人向け作品で初めてここまで心を乱されました。
近日続編が配信されるとの事ですが、このふたりの結末がほんの少しでも救いのあるものである事を願っています(予告ページを見る限り色々と不穏ですが…)。

最後に、ふたりの関係に作中で唯一理解を示し味方となってくれたミキさんは本当に女神でした。