勇者オークション（1）

同人版を分割して単話販売にしただけ

加筆修正はあるのかもしれないけど、基本的には同人版を分割しただけ。
しかも一本の話を分割してしまっているのでものすごい中途半端。
よほどのファンとかでなければ、同人版を買うべきです。
（Webコミックの一話を三分割して１話(1)、１話(2)、１話(3)として売るのと同じ手法です）

屈服と篭絡のプロセス

同人版では完結済みで、その前編のようです。
細かい部分で加筆修正等はあるかもしれないですが、横並びで見比べても素人目だと分かりませんでした。

同人版を踏まえてのレビューになります。

本作はかっこつけて言うと、｢野に咲く気高い一輪の花を手折って家の花瓶に挿す｣話。有体に言えば｢強くて高みにある｣美しい女性にエロい事して屈服させ、最終的にコレクションの一つという｢弱くて貶められた｣存在にしてしまう、ていう物語です。

そう言う訳ですので、ヒロインの｢孤高で気高い、本来手が届かない｣様を描き、それが下賤な連中によって如何に囚われ……という割とめんどくさい前提を経ないと描けない系統の物語なのですが、良く練られていて最低限のページで本編に入ることが出来ていると感じました。
ただ、それでも(同人版の)44pの中の10pも使っており、これが｢本編｣を圧迫してしまっています。実際、漫画版一話は前半分の22pですので、残りは12p。
ここも説明と絡めつつうまく構成してあると思いましたが、いざ挿入するぞ！というところで終わってしまっています。
竿役とヒロインの｢決戦｣は後半になります。

で、その｢決戦｣なのですが、解説文にあるような｢作り変えられていく｣プロセス。
｢屈しましたぁエロい事してくださぁい(表面)｣と(決して屈しない！(本心))を併記する事でうまく描いていると思いました。で決戦後はヒロインの内心は描かれず、｢その後のプレイ｣をしながら竿役が勝ち誇った感想を述べるエピローグでおしまい。

個人的には決戦を｢前半戦｣として、エピローグの前に｢後半戦｣がしっかり描かれていたら良かったなぁ、と思いました。
こう、｢決して屈しない…(建前)｣(屈しましたぁエロい事してくださぁい(本心))に入れ替わった状態での二回戦とでも言いますか。

そんなわけで、大好きな系統の作品、だからこその高望みだとは思うのですが、発表済の作品をただ分割して別ルートで販売するのではなく、三部作化も視野に入れつつ後半の加筆に大いに期待します。